

建設系の人気ブログ「現場主義」を主宰する山政 睦実氏が、土木工事における写真整理のポイントを現場主義目線で追った。
TEXT●山政 睦実
南海辰村建設株式会社は、建築メインというイメージだが、現在、全国最大函体断面のアンダーパス工法を施工するなど、土木分野でもその実力は確か。圏央道や東九州自動車道といった道路・河川工事を中心に大型物件を手がけている。今回は同社土木本部土木部へ伺い、膨大な作業となる写真管理・整理について伺った。

「いつの間にか、みんな蔵衛門御用達になっていた」と語るのは、西日本高速道路株式会社発注の「東九州自動車道 高鍋工事」で現場代理人を務めていた酒井 幸一氏。
社内標準の写真管理ソフトが決まっていなかった南海辰村建設では、それぞれの現場で様々なソフトを試していた。ここ数年は便利な機能や使いやすさが社内クチコミで広がり、自然と社内デファクトスタンダードに「蔵衛門御用達」が固まったという。今ではほとんどの現場で、蔵衛門御用達が導入されており、まさに現場の声で蔵衛門御用達が選ばれたといえるだろう。


蔵衛門御用達の本棚。
アルバムはここから取り出して使う。
紙のアルバムのような分かりやすさが特長だ。
大型物件の場合、複数人で撮影し、複数人で整理作業を行うことが一般的だ。西日本高速道路株式会社発注の「阪和自動車道 芳養工事」を担当した湯浅 辰彦氏は「私の現場では5人で写真整理作業を行いました。当社ではネットワークの設定を現場職員で行っているのですが、蔵衛門御用達の共有設定も簡単に行えました」と話す。
実は、南海辰村建設では特に電子納品に対するサポート体制を取っていない。ソフトウェアの管理を担当している1級土木施工管理技士の川崎 裕美氏によると、「蔵衛門御用達に関する問い合わせや苦情は、ほとんど上がってこないですね」とのこと。一方、湯浅氏は「だって、聞くまでもないから」と笑顔を見せる。
サポートが必要ないほどわかりやすいことが蔵衛門御用達の最大の特長だろう。

電子納品基準案の選択画面。
工事写真のみの提出にも対応している。
「自分でいちいち入力して作ろうと思ったら、膨大な作業になるのでゾッとしますけど、蔵衛門御用達ならちゃちゃっといけますから」(酒井氏)。
同社では、撮影してきた工事写真は、原本を保存するために日付と撮影者で分けられたフォルダに保存し、その後すべての写真を蔵衛門御用達に取り込んで、ソフト上で整理している。
写真整理ツールに工種マスタが用意されているので、該当するフォルダを本棚にドラッグ&ドロップするだけで簡単にアルバムを作成できる。
あとは必要な写真をアルバムへ貼り付けるだけで、自動的に工事写真情報が反映されるので、作業が「ちゃちゃっ」と終わるのだ。

工種を選び本棚にドラッグ&ドロップするだけで、アルバムを作成できるのでとても便利だ。
「これは便利ですね。かゆいところに手が届くというか…」と湯浅氏がイチ押しするのは、Excelとの連携機能だ。
この機能は、写真情報をExcelで編集することを可能にしたもの。
工事写真情報が一覧表示されるので、パッと全体を把握することができる。サムネイル画像を見ながら写真情報を編集できるので、作業がサクサク進むのだ。

工事写真情報はExcelで一括登録できる。
蔵衛門御用達では、写真に「しおり」を貼ることが可能だ。湯浅氏も「付箋感覚で使えるので便利ですね!」と好評価だ。
たとえば、施工箇所ごとにしおりを貼り付けておけば、竣工検査時に該当する写真を手めくり感覚でスピーディに開けるのだ。貼るだけでなく文字も書けるので、まさに付箋感覚で使える便利機能だ。

付箋感覚で使えるしおり機能。検査の際など、必要な写真を素早く開くのに非常に便利だ。
蔵衛門御用達では、参考図として登録したい画像ファイルをメニューから選んで登録することができる。貼り付けた参考図は写真フレームにも表示できるため、「並べて表示すると、どの箇所の写真なのかが一目瞭然だ」と湯浅氏。
よく使われる参考図がひな形として用意されているのもうれしい。

参考図もメニューから選ぶだけの簡単操作でアルバムに貼り付けられる。
蔵衛門御用達では、常に見やすいアルバム形式で写真の整理を行うため、特別にビューワを用意することなく、そのまま竣工検査で利用できる。また、検査に限らず、写真整理段階での急な打合せ等においても、すぐにアルバムを見られるのも便利だ。
様々な機能を持つ蔵衛門御用達であるが、南海辰村建設では特にマニュアルを読むことなく、ほとんどの便利機能を活用していた。便利機能を気にすることなく使えるのもこのソフトの特長であろう。「他のソフトへの乗り換えはないでしょう」(湯浅氏)と言うほど、蔵衛門御用達に満足しているのが印象に残った。