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道後温泉振鷺閣の刻太鼓
公開日:2009/01/27 ナビゲーター : イッシー

皆さんは、「日本の音風景100選」というのをご存知だろうか。環境省が、“全国各地で人々が地域のシンボルとして大切にし、将来に残していきたいと願っている音の環境(音風景)”を公募して選定したものである。今回は、その「日本の音風景100選」に選ばれている「道後温泉振鷺閣の刻太鼓(道後温泉本館振鷺閣にある刻を告げる太鼓)」の音を録音してみることにした。

歴史ある道後温泉本館

道後温泉は、愛媛県松山市にある日本最古と言われている温泉。道後温泉本館はそんな道後温泉のシンボル的な存在であり、明治27年に設立された歴史ある共同浴場なのだ。また、夏目漱石の「坊っちゃん」に登場することから別名“坊っちゃん湯”とも呼ばれ、1994年には、国の重要文化財に指定された。


道後温泉本館

最近に至っては、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』に登場する「油屋」のモデルになったうちのひとつとも言われている。お目当ての太鼓は、そんな本館三階屋上の振鷺閣の中にある。本館開館を告げる朝6時に6回、正午に12回、夕方6時に6回と打ち鳴らされ、本館設立時から道後の刻をずっと告げているのだ。

刻太鼓を録る

太鼓は一日3回打ち鳴らされるのだが、聴きやすい音の長さと日中の騒々しさを避けるために、夕方と朝の2回に絞って録音することにした。ここでは、朝の録音について紹介したい。

朝5時半、この時期はまだ真っ暗で街灯が灯っている。吐く息も白く、日中に比べてかなり気温も低い。そんな中、体を震わせ、足早に本館へ向かった。録音場所は、前日に決めておいた本館入り口と車道を避けた歩行者専用道路のある本館北側にした。早速「LS-10」本体を三脚に取り付け、設定を行った。数分で準備は完了し、後は待つのみ。時折、車やバイクが近くの車道を音をたてながら通過していくものの、周りはとても静かで風もほとんどない。


録音の様子

太鼓の音と同時に本館開館を待つ人だろう、西側の入り口の方から人の声が聞こえる。2分前。振鷺閣の赤いギヤマン張りのガラス戸が開けられ、太鼓が姿を現した。セッティングは完了し、ただボタンを押すだけなのだが、決められた時刻の音を録音するのは、待ち時間も手伝ってとても緊張した。

そして録音スタート。振鷺閣の中に見える本館の方が“ばち”を振り上げると、テンポ良く「ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン」と6回、太鼓を打ち鳴らした。大きな音をたてて通る車もなく録音は終了。終ってみれば、あっという間のことだった。
この他にも温泉らしいものということで「内湯の音」や「足湯の音」を録音したので、是非聴いて歴史ある道後温泉の音風景を感じて欲しい。


太鼓を叩いている様子
(特別に撮影許可を頂いた)

音風景とは

こうして音に隠されている歴史や背景等を知った上で聴く音風景は、いつにも増してとても感慨深い。音風景とはそんなものではないだろうか。機会があれば、また他の音風景100選の地を訪ねたい。

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