

中国の西、四川省のはずれには、昔からチベットの民たちが遊牧生活を送る高原地帯があります。この地域に住む遊牧民の暮らしを捉えた写真群です。標高約4,000メートル、極寒期にはマイナス30度にもなる、高原地帯を1年中、テント一つで移動生活を続けていく彼らの生活は、決して楽なものではありませんが、東京で生まれ育った私にとっては、生命をリアルに感じることができる場所でした。彼らの生活の中心となるのは、今も昔も家畜を養うことです。ヤク一頭とってみても、毛はテントや毛布、乳はミルク、糞は燃料、そして最終的には肉となり彼らの暮らしを支えています。丹精込めて、育てたものを、決してたくさんではなく、少しずつ自分たちの暮らしに還元していく彼らの生活スタイルは、シンプルだからこそ現代に残る究極のエコライフであるかのように魅力的にうつります。

(c)小山浩司
