

トーキョー(東京)ほど、様々なモノがギュッと凝縮された都市は世界で他に無いと思います。30年以上の仕事場であるこのトーキョーの様子に変化を感じたのは2000年問題が解決した頃でした。 その変化をハッと感じてはすぐ忘れ、また無意識に自分の一瞥を急に思い出す事が何度も続きました。
時計が異様に早く廻り追い付けない街、路地のほんの一角だけ何十年も時間が止まっている街。ワッと人々が集まっては群衆になり、またスーッと無人になる街。喧騒と静寂。まるでロックコンサートの会場と室内楽のホールを駆け足で行ったり来たりしているようです。
気が付いたら、知っている街が消滅し、全く新しい街が突然スコンと現れています。
そんな様々な街を、昼に夜に歩きながら、断片的に私の感じる奇妙な驚きは一体なんだろうか。それを写真で掴まえてみたいと思い始めました。今迄、僅かに残ったトーキョーの面影・残り香に興味があって撮っていた自分が、今のトーキョーをどんな風に撮れるか。その着地点さえも分からないままに始めました。撮影は、私が驚いた出会いに瞬時にシャッターを押していたり、その驚きが何なのか解らず、何度も通って確かめる日々でした。
フィルムカメラで「撮っては現像・プリントをして眺め、撮っては眺める」を繰り返している内に段々、自分で撮っていたのは時代が造る、都市が造る人々の姿・形でした。今のトーキョーで人々が日常、様々な場所で擦れ違いながら生きている、人模様でした。
出展数 モノクロ約43点

(c)櫻井正一
